住宅ローンは変動金利と固定金利どっちがいい?
住宅ローンを組む際に必ずぶつかるのが変動金利と固定金利の選択です。2026年現在、全期間固定(フラット35相当)は2.71%前後、変動金利の最低水準は0.5%前後と、約2.2%の開きがあります。
この記事でわかること:
- 変動0.5%と固定2.71%で35年間の総利息がどれだけ違うか
- 変動金利が何%まで上昇すると固定が有利になるか(損益分岐点)
- 差額を投資に回した場合のシミュレーション結果
- タイプ別(リスク許容度・返済期間)の選び方
Money Portalの不動産シミュレーターで試算しました。
前提条件
| 項目 | 変動金利プラン | 固定金利プラン |
|---|---|---|
| 借入額 | 6,500万円 | 6,500万円 |
| 返済期間 | 35年(420回) | 35年(420回) |
| 適用金利 | 0.5%(当初) | 2.71%(全期間) |
| 返済方式 | 元利均等返済 | 元利均等返済 |
ベース比較:金利が変わらない場合
月次返済額と総利息
| 項目 | 変動0.5% | 固定2.71% |
|---|---|---|
| 月次返済額 | 169,000円 | 239,752円 |
| 月次差額 | — | +70,752円 |
| 35年間の総返済額 | 7,098万円 | 1億695万円 |
| うち利息総額 | 598万円 | 2,960万円 |
| 利息の差 | — | +2,362万円(固定が多い) |
変動金利が0.5%のまま35年続いた場合、利息の差額は2,362万円です。月次返済の差70,752円を35年間積み上げると、支払い総額ベースで固定が約3,597万円多くなります(月次差額×420回)。
金利上昇シナリオ:何%で逆転するか
変動金利は「当初5年は0.5%、その後に上昇」と仮定します。5年後の残債は約5,639万円(420ヶ月→360ヶ月残)。この残債を各金利で再計算した場合の月次返済は以下のとおりです。
5年後に金利上昇した場合の月次返済
| 上昇後の金利 | 月次返済(6年目〜) | 固定との月次差額 | 判定 |
|---|---|---|---|
| 0.5%(据え置き) | 169,000円 | −70,752円 | 変動が大幅有利 |
| 1.0% | 181,200円 | −58,552円 | 変動が有利 |
| 1.5% | 194,600円 | −45,152円 | 変動が有利 |
| 2.0% | 208,400円 | −31,352円 | 変動が有利 |
| 2.71% | 229,000円 | −10,752円 | 変動がやや有利 |
| 3.0% | 237,700円 | −2,052円 | ほぼ同等 |
| 3.5% | 253,100円 | +13,348円 | 固定が有利に転じる |
| 4.0% | 269,200円 | +29,448円 | 固定が有利 |
月次返済ベースの逆転ラインは約3.0%です。5年後に3%を超えると、変動金利の月次返済が固定を上回り始めます。
総利息ベースの比較
| シナリオ | 35年総利息 | 固定との差(固定基準) |
|---|---|---|
| 変動0.5%(据え置き) | 598万円 | −2,362万円 |
| 変動→1.5%(5年後) | 1,519万円 | −1,441万円 |
| 変動→2.0%(5年後) | 2,015万円 | −945万円 |
| 変動→3.0%(5年後) | 2,778万円 | −182万円 |
| 固定2.71% | 2,960万円 | 基準 |
| 変動→3.5%(5年後) | 3,334万円 | +374万円(固定が有利) |
総利息ベースでは3.0〜3.5%が損益分岐点です。変動金利が5年後に3.5%を超えてしまうと、最初から固定にしておいた方が総利息が低くなります。
差額を投資に回した場合
変動0.5%が続く前提で、固定との月次差額70,752円をS&P500(eMAXIS Slim 米国株式、年10.14%・ボラティリティ15.49%)に積み立てた場合の試算です(シミュレーター上限の30年分)。

差額投資(70,752円/月)の積立結果(S&P500、30年)
| 経過年数 | 悲観(P10) | 中央値(P50) | 楽観(P90) | 投資元本 |
|---|---|---|---|---|
| 10年後 | 933万円 | 1,360万円 | 2,092万円 | 850万円 |
| 20年後 | 2,588万円 | 4,632万円 | 8,701万円 | 1,700万円 |
| 30年後 | 5,848万円 | 1億2,511万円 | 2億6,543万円 | 2,551万円 |
P50の30年後で1億2,511万円と、固定との利息差額2,362万円を大きく上回ります。ただしこれは「金利が0.5%のまま変わらない」という楽観シナリオです。
どちらを選ぶべきか:判断の軸
変動金利が有利なケース
- 5〜10年以内に売却・繰り上げ返済の予定がある
- 収入が安定しており、金利上昇時に繰り上げ返済できる余力がある
- 低金利環境の継続を見込む
固定金利が有利なケース
- 35年フルで返済し続ける予定
- 月次返済の変動リスクを徹底的に排除したい
- 収入が固定(会社員)で返済計画を固めたい
現実的なシナリオ分析
日本の変動金利の基準となる短期プライムレートは2024年以降わずかに上昇しています。過去の日本では1990年代前半に変動金利が8%を超えた時代もありました。今後10年で3〜4%への上昇も排除できないシナリオです。
一方、仮に5年後に2%まで上昇しても固定より945万円安く済む計算です。金利上昇ペースと自分のリスク許容度を照らし合わせて選択してください。
まとめ
- 変動0.5%が35年間続けば固定より利息を2,362万円節約できる
- 月次返済の逆転ラインは5年後に金利が約3.0%を超えた場合
- 総利息ベースの損益分岐点は3.0〜3.5%(5年後に上昇した場合)
- 差額70,752円をS&P500に積立投資すると30年後P50で1億2,511万円(金利が上がれば恩恵は減少)
- 「毎月の返済額が増えても耐えられるか」が選択の核心
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