S&P500・オルカン・日本株(TOPIX)、月10万円を30年積み立てるとどれが有利か

NISAで月10万円を30年間積み立てる場合、銘柄選択によって資産総額はどれだけ変わるのでしょうか。

この記事でわかること:

  • S&P500・オルカン・TOPIXの年利・ボラティリティの実データ比較
  • 月10万円×30年でP50(中央値)がそれぞれいくらになるか
  • 日本株(TOPIX)を積立に含める意味
  • 3銘柄の中でどれを選ぶべきかの考え方

S&P500とオルカンの2択比較は記事007で取り上げましたが、今回は月10万円・30年という長期視点で、日本株を含めた3銘柄の差を検証します。


3銘柄の基本スペック比較

項目 S&P500(SLIM_US) オルカン(SLIM_AC) TOPIX
対象指数 米国大型株500社 先進国+新興国 全世界 東証プライム全銘柄
実効CAGR(円ベース実績) 約10.1% 約8.4% 約−6.2%
年率ボラティリティ 約15.5% 約16.9% 約27.2%
為替リスク あり(ドル建て) あり(主にドル建て) なし(円建て)
米国株の比率 ほぼ100% 約60〜65% 0%

CAGR・ボラティリティはMoney Portalの過去実績データに基づく値です(SLIM_US: 1996年〜、SLIM_AC: 2008年〜、TOPIX: 2008年〜)。将来の値を保証するものではありません。TOPIXは2008年以降のデータで計算しており、グローバル金融危機・コロナショック等の大型下落を含む期間のCAGRです。


シミュレーション条件

項目 設定値
積立額 月10万円
積立期間 30年(360ヶ月)
初期一括投資 なし
投資元本合計 3,600万円

銘柄別シミュレーション結果

S&P500(eMAXIS Slim 米国株式)

S&P500 月10万×30年シミュレーション

CAGR 10.14%、ボラティリティ 15.49%でのモンテカルロシミュレーション(1,000パス)。

経過年数 悲観(P10) 中央値(P50) 楽観(P90) 投資元本
5年後 575万円 749万円 993万円 600万円
10年後 1,309万円 1,896万円 2,805万円 1,200万円
15年後 2,269万円 3,699万円 5,982万円 1,800万円
20年後 3,509万円 6,398万円 1億2,014万円 2,400万円
25年後 5,267万円 1億0,564万円 2億1,965万円 3,000万円
30年後 8,185万円 1億6,784万円 3億9,178万円 3,600万円

オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)

オルカン 月10万×30年シミュレーション

CAGR 8.39%、ボラティリティ 16.87%でのシミュレーション。

経過年数 悲観(P10) 中央値(P50) 楽観(P90) 投資元本
5年後 532万円 708万円 927万円 600万円
10年後 1,140万円 1,684万円 2,688万円 1,200万円
15年後 1,843万円 3,208万円 5,644万円 1,800万円
20年後 2,801万円 5,228万円 9,715万円 2,400万円
25年後 4,025万円 7,996万円 1億6,534万円 3,000万円
30年後 5,332万円 1億2,075万円 2億8,105万円 3,600万円

TOPIX(日本株)

TOPIX 月10万×30年シミュレーション

CAGR −6.2%、ボラティリティ 27.22%でのシミュレーション。

経過年数 悲観(P10) 中央値(P50) 楽観(P90) 投資元本
5年後 325万円 479万円 741万円 600万円
10年後 459万円 776万円 1,414万円 1,200万円
15年後 561万円 994万円 1,970万円 1,800万円
20年後 603万円 1,111万円 2,276万円 2,400万円
25年後 608万円 1,162万円 2,817万円 3,000万円
30年後 617万円 1,244万円 3,134万円 3,600万円

3銘柄の30年後比較

P50(中央値)での比較

銘柄 30年後(P50) 元本3,600万との差
S&P500 1億6,784万円 +1億3,184万円
オルカン 1億2,075万円 +8,475万円
TOPIX 1,244万円 −2,356万円(元本割れ)

S&P500とTOPIXのP50差は約1億5,540万円。銘柄選択の重要性がよくわかります。

P10(悲観)での比較

銘柄 30年後(P10) 元本3,600万との差
S&P500 8,185万円 +4,585万円
オルカン 5,332万円 +1,732万円
TOPIX 617万円 −2,983万円(大幅元本割れ)

TOPIXのP10では30年後に元本の17%相当しか残らないシナリオがあります。


数字から読める3つのポイント

1. S&P500・オルカンの過去優位性は明確

S&P500とオルカンは30年後P50でそれぞれ元本の4.7倍・3.4倍に成長しています。S&P500とオルカンのP50差は約4,709万円。オルカンも十分な資産形成が期待できますが、過去実績ではS&P500が上回ります。

2. TOPIXは2008年以降のCAGRが−6.2%

TOPIXのデータはリーマンショック直後の2008年から計算されており、この期間の実効CAGRは−6.2%です。毎月積み立て続けても、P50で30年後に元本を大幅に下回ります。ただし2020年代以降、TOPIXは回復傾向にあり、今後の実績によって変わる可能性があります。

3. ボラティリティはTOPIXが最大

TOPIXのボラティリティは27.2%と3銘柄中最大です。円建てでも、予期しない急落(P10シナリオ)のリスクが高いことを示しています。「為替リスクなし」のメリットは存在しますが、ボラティリティの高さで相殺されています。


銘柄選択のガイドライン

あなたの方針 おすすめ
リターンを最大化したい S&P500
米国一強リスクを分散したい オルカン
円建てで為替リスクをゼロにしたい TOPIX(ただし過去実績では期待リターンが低い)
迷ったら オルカンをベースにS&P500を加えた組み合わせ

日本株(TOPIX)は分散効果として一部組み込む戦略もありますが、単独メインにするのは過去実績ベースでは不利です。


まとめ

  • 月10万円×30年でS&P500(P50: 1億6,784万円)とTOPIX(P50: 1,244万円)の差は約1億5,540万円
  • S&P500はリターンが最大だが米国集中リスク、オルカンは分散効果あり(P50差4,709万円)
  • TOPIXはP50でも30年後に元本割れ(−2,356万円)、P10では大幅損失のリスクがある
  • TOPIXの過去CAGRが−6.2%と低いのは、リーマンショック後の2008年以降データを使用しているため
  • 長期の積立ではCAGRの差が複利効果で増幅されるため、銘柄選択が特に重要

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