マイカーの維持費を投資に回すと30年後にいくらになるか
「車は必要なもの」と思われがちですが、都市部では実はカーシェアで代替できるケースが増えています。問題は車の所有と維持にかかるコストを「見えにくくしてしまう」点です。
この記事でわかること:
- マイカーの月次維持費(購入費・駐車場・保険・税金・燃料)の実際の合計
- カーシェアに切り替えた場合の月次コスト差
- 差額をS&P500に30年投資した場合のP10/P50/P90
- 都市部でマイカーが必要かどうかの判断基準
マイカーの実際の月次コストを洗い出し、差額をS&P500に投資した場合の30年後をMoney Portalのシミュレーターで試算しました。
マイカー所有の月次コスト(普通車・都市部)
新車300万円(普通車)を購入し、都市部(東京・大阪等)で10年間乗り続けるケースです。
| コスト項目 | 月次換算 | 計算根拠 |
|---|---|---|
| 車両費(減価償却) | 25,000円 | 300万円 ÷ 10年 ÷ 12ヶ月 |
| 自動車保険(任意+自賠責) | 8,300円 | 年約10万円 |
| ガソリン代 | 15,000円 | 月1,000km × 約15円/km |
| 駐車場代 | 20,000円 | 都市部月極の平均的水準 |
| 車検・整備費 | 6,700円 | 年約8万円 |
| 自動車税(排気量1,500cc) | 2,900円 | 年約3.5万円 |
| 月次合計 | 77,900円 | — |
10年の総費用: 77,900円 × 120ヶ月 + 初期購入費300万円 = 約1,235万円
さらに10年後の次の車購入(150万〜300万円)が発生することも考慮が必要です。
カーシェア利用の月次コスト(都市部)
週末のファミリードライブ・買い物、月1〜2回の中距離ドライブを想定した試算です。
| コスト項目 | 月次換算 | 計算根拠 |
|---|---|---|
| カーシェア(時間料金) | 17,600円 | 20時間 × 880円/時 |
| カーシェア(距離料金) | 4,800円 | 300km × 16円/km |
| 年会費 | 500円 | タイムズカー等の月割換算 |
| 旅行・帰省時レンタカー | 2,000円 | 年2.4万円の月割 |
| 月次合計 | 24,900円 | — |
使用頻度によって変わりますが、月30時間以内であればカーシェアが経済的な場合がほとんどです。
月次差額と初期費用の比較
| 項目 | マイカー | カーシェア | 差額(カーシェアが安い) |
|---|---|---|---|
| 月次コスト | 77,900円 | 24,900円 | 53,000円/月 |
| 初期購入費用 | 300万円 | 0円 | 300万円 |
月53,000円の差額と初期費用300万円を、すべてS&P500(eMAXIS Slim 米国株式、年10.14%・ボラティリティ15.49%)に投資した場合を試算します。
シミュレーション結果
差額積立(53,000円/月)のシミュレーション(30年)

| 経過年数 | 悲観(P10) | 中央値(P50) | 楽観(P90) | 投資元本 |
|---|---|---|---|---|
| 5年後 | 301万円 | 391万円 | 517万円 | 318万円 |
| 10年後 | 685万円 | 1,009万円 | 1,533万円 | 636万円 |
| 20年後 | 1,943万円 | 3,425万円 | 6,513万円 | 1,272万円 |
| 30年後 | 4,263万円 | 9,192万円 | 2億0,657万円 | 1,908万円 |
初期300万円の一括投資シミュレーション(30年)
| 経過年数 | 悲観(P10) | 中央値(P50) | 楽観(P90) | 元本 |
|---|---|---|---|---|
| 10年後 | 377万円 | 710万円 | 1,349万円 | 300万円 |
| 20年後 | 686万円 | 1,680万円 | 4,369万円 | 300万円 |
| 30年後 | 1,238万円 | 3,686万円 | 1億2,166万円 | 300万円 |
30年後の総資産(積立+一括)
| シナリオ | 差額積立(30年) | 初期300万(30年) | 合計 |
|---|---|---|---|
| 悲観(P10) | 4,263万円 | 1,238万円 | 5,501万円 |
| 中央値(P50) | 9,192万円 | 3,686万円 | 1億2,878万円 |
| 楽観(P90) | 2億0,657万円 | 1億2,166万円 | 3億2,823万円 |
P50では30年後に1億2,878万円の資産差が生まれます。
損益分岐点:どれだけ車を使うと逆転するか
カーシェアが経済的である前提は「使用頻度が一定以下」であることです。
| 月次利用時間 | カーシェア月次コスト(概算) | マイカーとの差額 |
|---|---|---|
| 10時間 | 約13,000円 | 64,900円 マイカーが高い |
| 20時間 | 約25,000円 | 52,900円 マイカーが高い |
| 40時間 | 約47,000円 | 30,900円 マイカーが高い |
| 60時間 | 約68,000円 | 9,900円 マイカーが高い |
| 70時間 | 約79,000円 | 約トントン |
月70時間(毎日2.3時間)以上カーシェアを使うような場合は、マイカー所有の方が経済的になります。通常の都市生活では月70時間の利用に達することはまれです。
カーシェアが使えない・向かない状況
カーシェアに向かないケースも正直に整理します。
| 状況 | 理由 |
|---|---|
| 地方在住(電車・バス不便) | カーシェアステーションが少ない、日常移動に車が必須 |
| 深夜・早朝の利用が多い | ステーション空き状況に左右される |
| 毎日通勤に使う | 月次コストがマイカーを超える可能性 |
| チャイルドシートの設置が面倒 | 小さな子供がいる場合の利便性が下がる |
| 荷物の積みっぱなし(ゴルフ道具等) | 毎回搬出入が必要 |
都市部 vs 地方の判断基準
| 居住地 | おすすめ |
|---|---|
| 都心(山手線圏内等) | カーシェア |
| 都市近郊(私鉄沿線等) | カーシェア+年数回レンタカー |
| 地方中核都市 | ライフスタイル次第(要検討) |
| 地方・郊外(車必須) | マイカー一択 |
まとめ
- 都市部でのマイカー所有コストは月約7.8万円(減価償却・保険・駐車場等含む)
- カーシェアは月約2.5万円(週末ドライブ程度の利用想定)
- 月次差額5.3万円+初期300万円をS&P500に30年投資すると、P50で総資産1億2,878万円の差が生まれる
- 月70時間以上利用する場合はマイカーが経済的になる(通常の都市生活では超えにくい)
- 地方・郊外では車が生活必需品のため、この比較は主に都市部に適用される
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