インデックス投資は「儲からない」のか?疑問に数字で答える

「インデックス投資は長期で必ず儲かる」と言う人がいる一方、「儲からないケースもある」という意見も耳にします。どちらが正しいのか、楽観的なシナリオだけでなく悲観シナリオも含めてシミュレーションデータで確認してみましょう。Money Portalのモンテカルロシミュレーターを使い、月3万円をS&P500に30年積立投資した場合の結果を3シナリオで公開します。

この記事でわかること:

  • インデックス投資の「儲からない」シナリオがどの程度起こりうるか
  • 月3万円×30年で元本割れが起きる可能性
  • 悲観・中央値・楽観それぞれの最終資産額の数字

前提条件

項目 設定値
銘柄 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
実効年利(CAGR) 11.22%
ボラティリティ 18.27%
毎月積立額 月3万円
積立期間 30年
元本合計 1,080万円
為替調整 あり(USD/JPY 円ベース換算)

シミュレーション結果

インデックス投資 儲かる・儲からない シミュレーション

3シナリオ別の資産推移

経過年数 元本 悲観(P10) 中央値(P50) 楽観(P90)
5年 180万円 172万円 231万円 321万円
10年 360万円 386万円 601万円 969万円
20年 720万円 1,045万円 2,127万円 4,626万円
30年 1,080万円 2,374万円 6,029万円 1億5,466万円

「儲からない」は本当に起こるのか?

5年時点だけが元本割れに近い

5年の悲観シナリオ(P10)は約172万円で元本180万円をわずかに下回ります。積立開始直後の数年は市場下落の影響を直に受けやすく、「積立したのに減っている」という体験が起きやすい期間です。ここで積立を止めてしまうと損失が確定します。

10年以降は悲観シナリオでも元本を超える

10年の悲観シナリオ(P10)は386万円で、元本360万円を上回ります。20年になると悲観シナリオでも1,045万円と元本720万円の1.45倍。「長期投資では元本割れしにくくなる」というのは、データ上でも確認できます。

30年の中央値は元本の5.6倍

30年間継続した場合の中央値(P50)は約6,029万円。元本1,080万円に対して約4,949万円の運用益が乗ります。楽観シナリオ(P90)では1億5,466万円と、元本の14倍を超えます。


なぜ「儲からない」という声が出るのか

短期では損するシナリオが多数ある

シミュレーションのとおり、5年以内は悲観シナリオで元本を割るケースがあります。積立を始めたタイミングが株価ピーク付近であれば、数年後に含み損になることは珍しくありません。この含み損の状態を「儲からない」と感じて積立を止めてしまうケースが多いです。

途中解約が最大のリスク

「インデックス投資が儲からない人」の多くは、相場が下落したタイミングで売却・積立停止をしています。逆に、暴落時も積立を続けた人は安値で多くの口数を仕込むことができ、後の回復局面で大きなリターンを得ます。儲からない最大の原因は運用方法ではなく、途中でやめることです。

為替リスクはコントロールできない

S&P500はドル建て資産のため、円高局面ではリターンが目減りします。2024〜2025年のような円安局面では円ベースのリターンが膨らみますが、逆に大きく円高が進むと実質リターンが抑えられます。このシミュレーションでは過去の為替変動を含んでいますが、将来の為替は不確実です。


まとめ

  • インデックス投資の悲観シナリオ(P10)でも10年以上継続すれば元本を上回る結果になりやすい
  • 5年以内は元本割れのリスクがあり、「儲からない」と感じる可能性がある期間
  • 30年の中央値は元本の5.6倍(約6,029万円)、楽観シナリオでは1億5,466万円超
  • 途中解約が最大のリスク。下落時こそ積立を続けることが長期リターンを左右する
  • 為替リスクも存在するが、長期では分散効果で影響が平準化されやすい

自分の積立金額でシミュレーションしてみてください → シミュレーターを使う