子持ちFIREに必要な資産はいくらか
「本当の富裕層はFIREなんて考えない」というより現実的な悩みとして、子どもがいる家庭ほど「うちはいくらあればFIREできるのか」という疑問が大きくなります。教育費が乗る分、独身や夫婦のみの試算をそのまま当てはめることはできません。
この記事では、単身・夫婦のみ・夫婦+子1人・夫婦+子2人の4パターンについて、Money Portalのシミュレーターを使って必要資産額を試算します。子育て中は完全に労働から離れず一部収入を残す「サイドFIRE」、子どもが独立したあとに生活費の全額を資産収入で賄う「完全FIRE」の2段階で考えるのがポイントです。
この記事でわかること:
- 家族構成別の生活費と、4%ルールで計算した必要資産額
- 子育て中の「サイドFIRE」と子独立後の「完全FIRE」、2段階で見た必要額の違い
- 月10万円をオルカンに積み立てた場合、それぞれ何年で到達するか
前提条件
必要資産額は「年間生活費 × 25倍(4%ルール)」で計算します。子育て中の家庭については、月10万円程度の労働収入(時短勤務・在宅ワークなど)を残す前提で、不足分だけを資産収入で賄う「サイドFIRE」水準を試算しています。
| 家族構成 | 月生活費(目安) | フェーズ | 必要資産額 |
|---|---|---|---|
| 単身 | 15万円 | 完全FIRE | 4,500万円 |
| 夫婦のみ | 25万円 | 完全FIRE | 7,500万円 |
| 夫婦+子1人 | 33万円(教育費込み・子育て中) | サイドFIRE(月10万円の労働収入あり) | 6,900万円 |
| 夫婦+子1人 | 25万円(子独立後) | 完全FIRE | 7,500万円 |
| 夫婦+子2人 | 40万円(教育費込み・子育て中) | サイドFIRE(月10万円の労働収入あり) | 9,000万円 |
| 夫婦+子2人 | 25万円(子独立後) | 完全FIRE | 7,500万円 |
積立シミュレーションの条件は以下の通りです。
| 項目 | 設定値 |
|---|---|
| 銘柄 | eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) |
| 実効年利(CAGR) | 8.39% |
| 月々の積立額 | 10万円 |
| シミュレーション方式 | モンテカルロ法(1,000パス) |
シミュレーション結果

月10万円をオルカンに積み立てた場合、中央値(P50)ベースで各目標額に到達する年数は以下の通りです。
| 家族構成・フェーズ | 必要資産額 | 到達年数(P50) | 到達時の資産額(P50) |
|---|---|---|---|
| 単身・完全FIRE | 4,500万円 | 19年 | 約4,675万円 |
| 夫婦+子1人・サイドFIRE | 6,900万円 | 24年 | 約7,185万円 |
| 夫婦のみ・完全FIRE | 7,500万円 | 25年 | 約7,795万円 |
| 夫婦+子1人・子独立後の完全FIRE | 7,500万円 | 25年(サイドFIRE到達後さらに継続) | 約7,795万円 |
| 夫婦+子2人・サイドFIRE | 9,000万円 | 27年 | 約9,211万円 |
参考までに、25年間・月10万円積立の悲観〜楽観シナリオの幅は以下の通りです(元本合計3,000万円)。
| シナリオ | 25年後の資産額 |
|---|---|
| 悲観的(P10) | 約3,756万円 |
| 中央値(P50) | 約7,795万円 |
| 楽観的(P90) | 約1億8,016万円 |
子育て中のサイドFIREは、思ったほど遠くない
この試算で意外だったのは、夫婦+子1人のサイドFIRE(6,900万円・24年)が、夫婦のみの完全FIRE(7,500万円・25年)とほぼ同じ年数で到達することです。
理由は単純で、子育て中は生活費が増える一方、月10万円程度の労働収入を残すことで必要資産額の増加分が相殺されるからです。子どもがいるからFIREが極端に遠のくわけではなく、「完全に働くのをやめる」のではなく「一部の収入を残す」という選択をするだけで、必要資産額は夫婦のみの水準に近づきます。
一方、夫婦+子2人のサイドFIRE(9,000万円・27年)は、単身の完全FIRE(4,500万円・19年)と比べると8年の差があります。子どもが増えるほど、この2段階戦略の恩恵だけではカバーしきれない部分が出てくることがわかります。
子独立後は生活費が夫婦のみの水準(月25万円)に戻るため、必要資産額は子どもの人数によらず7,500万円で共通です。サイドFIREの時点である程度の資産を積み上げておけば、子どもの独立後は運用を続けるだけで完全FIREの水準に自然と近づいていきます。
まとめ
- 子持ちFIREの必要資産額は、子育て中の「サイドFIRE」と子独立後の「完全FIRE」の2段階で考えると現実的な目標が見えやすい
- 月10万円程度の労働収入を残すサイドFIRE戦略なら、子1人の家庭でも夫婦のみとほぼ同じ年数で目標に到達できる
- 子2人になると必要額・到達年数ともに単身・夫婦のみより大きく伸びるため、教育費のピーク時期を見据えた資産計画が必要
- 子独立後の完全FIRE必要額は子どもの人数によらず一定(生活費が夫婦のみの水準に戻るため)
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